腹の肉を減らすために書くはてなブログ

ダイエットブログです。

好きなラーメン屋が閉店するということ

去る6月28日土曜日、高田馬場にある一つのラーメン屋が店を畳んだ。
その店の名前は「べんてん」。東池袋大勝軒が好きだった店主が作る甘・辛・酸を基調としたスープのつけ麺はそれはもう多くのファンを集めた。
名店が閉店するとなり、最後の別れを惜しむように営業最終日まで多くのファンが長蛇の列を作ったことは一部のラーメンファンならご存じだろう。
有名ラーメン店「べんてん」6月28日で閉店 開店前から大行列、夜中2時半に並ぶ人も : J-CASTニュース
ラーメン好きには大事件!?名店の行列がすごいことになってる… - NAVER まとめ

それで、今日は「閉店したけどべんてんのつけ麺食べたいよー!」とか「冷やし油そばちゅるちゅるしたい!」とか言いたい訳ではない。

http://instagram.com/p/nc8wULH4lJ/
つけ麺
http://instagram.com/p/nF2rLcn4kJ/
冷やし油そば(混ぜた後)

あと、「べんてんで助手をしていた人が蕨駅近くに『永太』っていう店を出してるから、べんてんの代わりに行ってみるといいよ!」とか言いたい訳でもない。好きな女が抱けないから別の女で満足させよう、みたいな気概を持っていては幸せになれないと思うんだ。ちなみに、べんてんのテイストを受け継ぎつつ、自分の作りたいラーメンを作っていてとても良い店だから「永太」はそういう意味でオススメ。

http://instagram.com/p/q5oSTHn4rG/
味玉つけ麺の中盛、辛味別
永太 (エイタ) - 蕨/ラーメン [食べログ]

それでだ、めちゃくちゃ久しぶりにブログを書こうと思ったのは、飲食店が閉店するとネット上に“墓”みたいなものができるのかなっていうこと。

例えば「食べログ」は店名の先頭に“【閉店】”が入っている。
【閉店】べんてん - 高田馬場/つけ麺 [食べログ]

もちろん、閉店している店にもレビューや画像を投稿することはできるので、機能としては使えるのだけど、高田馬場のラーメンランキングの上位からは見当たらなくなってしまった。
高田馬場 ラーメン(拉麺)ランキングTOP49 [食べログ]

星の3.62点は高田馬場のラーメンカテゴリでぶっちぎりの一位なのだけど、閉店のためかランキングの対象から外されているようだ。もうこれで、高田馬場にふらっと来た人がラーメンでも食べようと思って検索しても「べんてん」に巡り会うことはないのだなぁ、と思うとこみ上げてくるものがある。

同じように「foursquare」や「Retty」でも閉鎖・閉店となっていて、現場に行かずとも「べんてん」はもう営業していないのだという現実を突きつけてくる。「foursquare」にいたっては検索しても「べんてん」が出てこないので、過去のチェックイン履歴から「べんてん」のページにやっと飛べた。
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べんてん (現在は閉鎖) - 高田馬場 - 東京, 東京都

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べんてん(高田馬場/つけ麺) - Rettyグルメ

位置情報と連動していたり店舗情報を提供しているネットサービスからは、事実上閉店した飲食店は検索やランキングの対象にならないのだろう。閉店することで検索やランキングから除外されることは、ネットの奥深くに埋葬されたと言っていいかもしれない。

一方で、閉店後も「べんてん」の情報が更新されている場所がある。それは画像共有サービスの「Instagram」だ。説明するまでもないだろうが、このネットサービスは投稿する画像に位置情報が含まれた店舗名や建物名をタグ付けすることができる。更に他のユーザーがタグ付けした画像も一覧で見ることができる。

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そのため、「べんてん」が閉店した現在でも画像にタグを付けることができるのだ。投稿されているのは、閉店を知らずに店を訪れてショックを受けている人たちや、閉店を確認するために訪れる人たちが撮る店の外観の画像がほとんどだ。

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つまり、もう「べんてん」のジオタグに新たなつけ麺の画像が投稿されることはない。
食べログ」や「fRetty」を含め、情報を提供するネットサービスには閉店した飲食店の情報が多数存在するが、そのページのほとんどは「閉店」と表記され、ランキングや検索対象から外され、忘れられた“墓”のように日の目を見ることはない。その一方で「Instagram」や「Twitter」などのソーシャルに閉店した店の外観画像や過去に食べたつけ麺画像を投稿することは、無くなってしまった店への敬意や感謝が込められている。こうした行為は、“墓参り”に近いのかなと思った。

先日、「Instagram」を眺めていたら「べんてん」のタグが付いた画像が流れてきた。どういうことかと思ったら、閉店後の外観を投稿しているだけだった。悲しさと同時にこの体験は何かに似てるなと思ったのが、この記事を書くきっかけになった。「べんてん」閉店の悲しさなんて別に記事にする必要はないのだけど、悲しくなる“経路”が初体験だったので、なんとか言語化しておこうと思った次第だ。

あー、べんてんのつけ麺食べたいな。